2023年度運営委員の声 2023年6月 鈴木佳子先生
【2023年度第1回鈴木佳子先生】
第1回では国際TA協会認定認定セラピスト(臨床)で青山学院大学学生相談センター主婦会館カウンセリング室青山メンタルヘルスの鈴木佳子先生をお招きし、私のカウンセリング~セルフ・リペアレンティングと人格適応論の統合~と題してお話しいただきました。セルフ・リペアレンティングの精神を基に、人格適応論を活用して相手の存在を理解しながら、カウンセリングやスーパーヴィジョンを実践しておられる経験豊富な鈴木佳子先生から貴重なお話をいただきました。
【鈴木佳子先生、私のカウンセリング】 幹事感想
2023年度のTA研究部会の最初の講座でした。
まずは創立40周年にあたるので40年の歩みを運営委員長からスライドでご説明しました。
そして講師の人気カウンセラーの鈴木佳子先生(青山学院大学)にバトンタッチ。
テーマは「私のカウンセリング~リペアレティングと人格適応論の統合~」。
色々なカウンセリングの先生の言葉を引用しながらご自分のカウンセラーとして大事にしている考え
を話してくださいます。その後4人組で話し合うのがとても深まりました。
◎成瀬先生の体験談
「子殺しを犯した受刑者との面談。相手は頑なに口を開かない。相手の今までの生きて来た気もち、
絶望感、虚無感を感じて、“もう面接室から出ていいですよ”とつぶやくと受刑者は“私、話します、
心理テストも受けます”」と話し出した。
これはゲシュタルト療法の関係対話で言う、「相手の心の中で共に気持ちを感じる」に通じると
思いました。クライアントはカウンセラーにわかってもらったと思い心を開くということですね。
◎見立て
クライアントの悩んでおられること、感情、行動パターンを対話で把握するだけでなく、その背景
にある生き方の信条、そういう生き方・信条を持つに至ったつらかった体験まで気持ちを伴って
話し合します。それによって、クライアントは自己受容するしカウンセラーは共感が深まっていく。
これはTAの人生脚本の考え方が非常に役立つと思いました。
◎人は幸せに生きて良い
幸せとは満足や快感、歓喜をもたらさない状況があるにも関わらず希望をもって生きること。
生きることを大切にして人生をエンジョイする。
まさにTAの哲学、自分の生き方は自分で決めることができる、ですね。
ちなみに今回鈴木先生の髪は金髪になりましたが(素敵です)、大学が変わってやりたいことを
やろうと思われた、とのことでした。
◎クライアントとカウンセラーは対等な関係
鈴木先生の40年間の臨床経験は「クライアントと出会うことと自分と出会うこと」の連続だった
そうです。人を理解するには一番身近な自分を理解すること、その中で「クライアントとカウンセラーが対等な関係」でいることが重要だと言うこと。無自覚なカウンセラーの権力性に気づくこと
(クライアントは観察の対象になっているだけだということは自尊心がキヅつく)というお言葉には
会場で参加者の経験談が交換されました。
鈴木先生のエネルギッシュでオープンな講座には笑いと共感が沸き起こった1日でした。
講座後の久しぶりの懇親会も楽しいひと時でした。
(6月度担当幹事)
橋本 由香 藤原 勝 石川 任