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2025年度運営委員の声 2025年10月 門本 泉 先生

2025年10月18日(土)にはTA研究部会2025年度第4回を開催しました。New!!                                                                                                                    

当日は、大正大学臨床心理学部教授の門本泉先生に「孤立と分かち合いから実存へ~エコセンタードという考えを知ろう~」と題してお話しいただきました。大変好評でした。

  

     

【幹事感想】

10月のTA研究部会は門本泉先生(大正大学教授、TA協会会長、国際TA協会前副会長)の講座でした。テーマは「孤立と分かち合いから実存へ」。先生は難しい理論をかみ砕いて分かりやすく説明してくださる人気講師ですが、9月刊行のキース・チューダー氏の「エコセンタード・セラピー」を紐解いて説明いただきました。

 キース・チューダー氏は英国生まれ、ニュージーランド在住。エリックバーン記念賞を2回取られて今注目の方で、TAとパーソンセンタードアプローチ(カール・ロジャース提唱)が専門。個人ではなく「私たち性:We-ness)」を主張。

 門本先生の講義のエッセンスを紹介します。 

「孤立は現代人の特徴。コミュニティや家族・友人といった対人ネットワークから切れてしまっている客観的な事態。

特に若い人はSNSであれだけ多くの人とつながりながら孤立感を感じている。一人になる事の恐怖。他者を傷つけないか細心の注意をしている。

 エコセンタードとはエコシステムを中心に据えた考え方、立場、態度。エコとはEcology生態学のことで生物とそれを取り巻く環境の相互作用を研究し生態系の構造と機能を明らかにする学問。

産業界では、ある産業、例えば半導体が作られるには半導体メーカー、部品・材料メーカー、研究組織、働く人々、物流システムなどが集積しないと輩出されない、などと言う。

セラピーの領域では、個人がジレンマや葛藤を感じた時に、自然とか宇宙とか自分より大きなものと一体感を感じる時に治癒に繋がるとされる。

それは合理的なものだけではなく「太古的・魔術的・神話的」な心の感じ方が作用する。

 最後に実存。

実存主義とは自分にとっての真実・真理・揺るぎない認識で、自分がどう生きるかを自分で選び責任持って生きる事。「周囲がどうであれ」という意味もある。」

 講座の最後には、「名言集」をもとに自分の「真に信じるもので、環境と調和する方向に向かうもの」を各人がシェアしていきます。

かなりそれぞれの生き方を深く考えるもので充実した時間になりました。

(幹事:藤原勝、吉田久美)

【担当幹事】

吉田久美     藤原 勝

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