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2018年度第4回TA研究部会幹事感想
2018年度 第4回TA研究部会 幹事感想
10月13日(土)M・E・E(マザーアース・エデュケーション)主宰 松木正先生
テーマ「生命(いのち)の木は私自身へと個性化していく」
-大いなる自己=創造の力の御心を生きる先住民的〔自覚〕エクササイズ-
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今回の隣接分野講座では、アメリカ先住民のスー・インディアン(ラコタ族)の伝統儀式を執り行うことを許された数少ない日本人の一人として、自分を取り巻く様々な生命(いのち)との関係教育に独自の環境教育プログラムを取り入れて実践されている松木正先生をお招きして開催しました。
室内灯を落とし、先生の叩く太鼓の音と創生神話の語りから始まった会場内は、空気や時間の流れすら変化するような不思議な感覚に満ちてきます。耳に入ってくる語りの言葉の意味は分からないのですが、五感を通して身体の深部に柔らかく浸み込んでくるような体感的なもので、一般的な言葉では言い表せない厳かで神秘を感じるものでした。
その後、講義の中心である「命の木」の解説の中で、「私たち人間は、根・幹・枝葉からなる【一本の木】のような存在」であり、「地上に出ている幹や枝葉以上に、それを支える根にこそ広がり=自己肯定感(存在してもよい・あるがままでよいという「安心感」)が大切」であること。そして、その醸成には、「乳幼少時期に一緒にいること(be with)」や「無条件に自分を受容する存在が必要」であることをアメリカ先住民族居留地のYMCAでのご経験などを織り交ぜて分かりやすく説明いただきました。
受講された方も、改めてTAの「無条件の肯定的ストローク」が、地上に見えている【一本の木】としての私たち・子供たちの「幹=自分に対する信頼感・自信・有能感」を支える「根を広く太く張る」ことを促し、「肯定的ビリーフ(信念)・行動=枝葉」へと繋がっていくということを理解されたことと思います。
また、実際にキャッチボールの受け取り方での感情変化のストロークゲーム的な解説。根幹となる「安心感」の始まりである羊水とへその緒の「絆」。生まれるための産道通過・分離不安・ビリーフの本質への関係性や主体化への要因(甘える・甘やかすの違い)へと深度が深まっていきます。午後の講義とエクササイズでは、実際に身体の変化を意識しながらのリアリティーの層(変化の糸口の無自覚なシグナル)への気付きなど、盛り沢山の内容であっという間の一日となりました。
今回の講座で、一人ひとりが感じられたことは異なると思いますが、そのフェルトセンスと個性化へのプロセスを大切にしていただき、そして、壮大なアメリカの母なる大地に身体を委ね、満天の星空の下での体験に想いを馳せながら、次回の松木先生のご講義を心待ちにしたいと考えております。
以上
(運営委員 橘高知之・鈴木三千世・杉山毅)