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2024年度運営委員の声 2025年2月 金丸隆太先生

2025年2月8日(土)にはTA研究部会2024年度第8回を開催しました。

当日は、茨城大学人文社会学部准教授で国際TA協会有資格会員(心理療法)の金丸隆太先生をお招きし、

「人間関係の奥深さを解き放つ~ストローク理論を複数分野から理解する~」と題してお話しいただきました。

大変好評でした。

 

  

【幹事感想】

【ストロークを多角的に見る金丸隆太先生講座】

2月度TA研究部会は茨城大学准教授の金丸隆太先先生の講座。

テーマは「人間関係の奥深さを解き放つ~ストローク理論を複数分野から理解する」でした。

新鮮で面白かったですね。

ストローク(自他承認)はTAの根幹理論でやる気や生命の源です。金丸先生は4つの分野からご説明いただきました。

◎生理学から

乳幼児へ虐待が心身にどういう影響を与えあか5人の学者の研究成果を紹介。

虐待があると、注意力が散漫になる、記憶力が悪くなる、高度な思考と感情コントロールできない(ちょっとした不安や

恐怖に耐えられない)、視覚や聴力が落ちる、やる気が起きないなど生物学的な悪影響がある。

反対にストロークがあると9種類のホルモンからなるオキシトシンが出て安心感が出て他者との絆が作りやすくなります。

幼少時にストロークが不足しても、成長後に信頼出来る他者から肯定的ストロークを得ることで安定した人間関係を作れる

ことが実証されていると聞き安心しました。

◎文化人類学から

アメリカの人類学者、クリフォード・ギア氏が世界中の儀式とストロークの関係について研究しました。

バリ島の闘鶏、日本の茶道、インドのナマステ、アメリカの卒業式など。

確かに茶道では主人がお客様をもてなしますし、客も無言で掛け軸や茶碗を褒めて作法に従いお茶をいただくのも

相互ストロークですね。

◎芸術学から

劇作家で演劇評論家の山崎正和氏のリズム論が紹介されました。

山崎氏は音楽や舞踊だけでなく日常の中で発生するリズムは人の行動に調和をもたらすと言っています。

水について西洋と日本の違いを言っています。西洋では水の表現を噴水で表しますが、日本は「ししおどし」です。

コトンと言う音で人は水の流れをしり、リズムが調和をもたらすとしています。

◎経済学から

お金の投資では利益よりは損失を回避する傾向があり、ストロークでは否定的ストロークは肯定的ストロークより威力が大きい。

行動経済学は人は合理的な判断より心理的な損得、快不快で動くということです。

明日の利益より今の利益に飛びつくなど。

◎エリックバーンのストローク

TA創始者エリックバーンは勉強会のあと生徒や仲間とスパゲッテイ屋に行った、そこで会話はせず部屋の隅で人々がどういう会話を

するか観察した。

落ち込む人を見て「人は無視されるのが一番つらい」とストロークを発見し、わざと相手を怒らせるやり取りを見て「人はストロークが

欲しいから相手に嫌なことを言う」とゲーム理論を見つけた。

TAのTransactional Analysisは交流ではなくストロークを得ることを目的とした

「取引」というのが意味的には正しい。

 ストロークについて理解が深まった一日でした。

(2月度幹事 藤原 勝、橋本由香)

 

     藤原 勝                     橋本 由香      

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